慢性頭痛を水を飲んで治す-緊張型頭痛・片頭痛は水分不足が原因かも
現代人の25%が持つという慢性頭痛。筋肉の緊張から起こる緊張型頭痛や、血管の拡張によって起こる片頭痛など、さまざまな種類の頭痛があります。
病院やクリニックに通ったり市販薬を飲んだりと、たくさんの対処法がありますが、もしかしたら水を飲むと治るかもしれません。
緊張型頭痛も偏頭痛も、血流が原因で起こる頭痛です。水分補給によって血流の改善をすることで、症状が和らぐ可能性があります。
また、厚生労働省の調べによると、現代人は水分不足に陥っている人が増えています。
熱中症や脱水の初期症状としても頭痛が起こるので、夏場は特に水を飲むことが重要です。
今回は、水を飲むことで頭痛が治るメカニズムと、よく効く水の飲み方をまとめました。
目次
緊張型頭痛と片頭痛を水の力で治す
緊張型頭痛と片頭痛が起きる原因は、一見真逆に見えます。しかし、血流に問題があるということは共通しているため、水分不足の解消によって改善できる可能性があります。
■緊張型頭痛
痛みの種類:
頭全体が締め付けられているような鈍痛、場合によっては1週間以上痛みが続く
痛みの原因:
頭や首、肩から背中の筋肉が緊張することで血流が悪くなり、周囲の神経が刺激されることで頭が痛くなります。
筋肉が緊張する理由は、デスクワークや車の運転などで同じ姿勢を続けたり、精神的ストレスがかかったりと、さまざまです。
慢性化すると、筋肉が緊張していなくても脳の錯覚によって痛むようになるリスクがあるので、早期治療が大切です。
■片頭痛
痛みの種類:
脈動に合わせてズキンズキンと痛む、動けなくなるくらい鋭い痛みの人もいる
痛みの原因:
頭の血管が拡張することで炎症が起き、頭が痛くなります。血管が拡張する原因には2つの説があります。
1.三叉神経(頭のなかで一番太い神経)の刺激
飲酒や運動などで血管が拡張した際に三叉神経を刺激し、痛みの原因物質が出ることで血管に炎症が起きる
2.セロトニン
ストレスによってセロトニンという血管を収縮させる物質が過剰に分泌し、分泌が収まった時に血管が一気に拡張することで痛みが起きる
緊張型頭痛が水を飲んで改善する理由
緊張型頭痛が水分補給で改善されるのは、比較的イメージがしやすいかもしれません。
水を十分摂ると、血液量が増えて体内をより循環するようになります。血流が良くなると筋肉の緊張も和らぎ、頭痛の改善につながります。
また、精神的ストレスが原因の場合も、水を飲むことで緩和できる場合があります。特に白湯を飲むのが効果的です。
ストレスが過度に掛かると、交感神経が過剰に働き自律神経が乱れます。水分不足を解消すると自律神経を整えることにも繋がり、さらに体温に近い白湯を飲むと副交感神経を優位にする効果があります。
白湯はダイエットとして飲む人も多く、美容に関心がある人にもおすすめです。
片頭痛が水を飲んで改善する理由
片頭痛は血管が拡張している、つまり血流が良い状態なので、水を飲まない方が良いと考えている人もいます。
しかし、根本的に片頭痛を改善することを考えると、水分不足の状態は解消するべきです。理由は2つあります。
1つ目は、血行不良で脳に酸素が行き届かないと、酸素を取り込もうと血管を拡張しようとするためです。血流が悪いと、血管の拡張を促進しようとしてしまうのです。
2つ目は、血管の収縮や拡張には、自律神経が大きく関係しているためです。
水分不足になると、血流が悪くなることで栄養が体に十分に運ばれなくなり、自律神経が乱れます。
自律神経が不安定になると、ストレスがかかった時に過剰に交感神経が分泌されてしまい、必要以上に血管が収縮してしまう場合もあります。
そうすると、血管が拡張した時の落差も大きくなり、片頭痛を誘発してしまうリスクが大きくなります。
その頭痛、熱中症や脱水のサインかもしれません
慢性的な頭痛以外にも、熱中症が原因で頭痛になる人もいます。
暑い場所で脱水状態になると、体の中の熱が放出できず溜め込んでしまいます。この熱や脱水によって血液から炎症の物質が出ることで頭痛が起こります。
熱中症によって起こった頭痛は、長期化する場合が多いです。頭痛になってから水を飲んでも、体の水分バランスが正常に戻るまでには何日か時間が必要になるのです。
真夏はもちろん、日常的に運動をする人や汗をかく人は気をつける必要があります。
頭痛持ちの人の水の飲み方
体に負担なく水分不足を解消するには、1日に1.5リットルの水を、こまめに飲むことが重要です。
イメージとしては、1回に飲む量はコップ1杯(約200ml)で、1日7~8回に分けて飲むのが理想です。
私達は、呼吸や排せつによって1日約2.5リットルの水を失っています。
よって、1日に2.5リットル以上は水分を摂取する必要があるのですが、そのうち1~1.3リットルは食事や代謝によって補えています。
なので、残りの1.2~1.5リットルは、自発的にお水を飲むことで補給する必要があるのです。
摂取する水の量が出ていく水の量より少ないと、脱水気味になり血流が悪くなってしまいます。
水分を摂る上で、気をつけるべき点は3点あります。
- ジュースやコーヒーではなく「水」をちゃんと飲むこと
- 一気飲みをしないこと
- 飲む量は1日4リットル以上に収めること
■ジュースやコーヒーではなく「水」をちゃんと飲むこと
ジュースを飲みすぎると糖分の摂りすぎになってしまい、血流が逆に悪くなってしまう可能性があります。
また、コーヒーなどに含まれるカフェインは利尿作用があり、体内の水を排出してしまいます。飲む量は1日3杯程度までにし、気になる方はカフェインレス(デカフェ)のコーヒーに変えてみるのも良いと思います。
■一気飲みをしないこと
水を一度に大量に飲むと、体の中のナトリウム濃度が低くなり(低ナトリウム血症)、脳や内臓、筋肉がむくむ「水中毒」になってしまうリスクがあります。
水中毒によって脳がむくむと頭痛の原因になってしまうので、暑い日や汗をかいた時もこまめに水を飲むことが大事です。こまめに水分補給をすれば、1度に飲む水はコップ1杯で十分足ります。
■飲む量は1日4リットル以上に収めること
水を飲みすぎると、前述の水中毒以外にも不整脈などの危険性が高まります。
水を大量に摂ることで血流が増えると、血液のポンプである心臓に負担がかかります。結果、不整脈になって心疾患を引き起こす可能性があるので、1日に飲む水は4リットル以内に留める必要があります。
ちなみに、水ダイエットを行う人は、1日2~3リットルの水を飲みます。水をしっかり飲むことで代謝を上げ、痩せやすい体を作るというダイエット方法です。
健康に良いミネラルウォーターもおすすめ
健康のために水を飲む上では、ミネラルが豊富なミネラルウォーターもおすすめです。
近年はウォーターサーバーでミネラルウォーターを飲む人も増えています。東日本大震災以降は、備蓄水としてもウォーターサーバーを導入する家庭が特に増えました。
ウォーターサーバーは水だけでなくお湯もすぐに出せるので、白湯などを日常的に飲みたい人にとっても非常に便利です。
ウォーターサーバーには、天然水(ナチュラルミネラルウォーター)を扱うブランドがたくさんあります。
自然の地下水から作った天然水は味わいも美味しく、体に良いミネラルも豊富です。
例えば、フレシャスの朝霧高原で採水した天然水は、血中コレステロール値を下げるバナジウムというミネラルが豊富に溶け込んでいます。
プレミアムウォーターの南阿蘇の天然水は、美肌や美髪効果があるシリカを多く含んでいます。
このように、天然水はプラスアルファの健康効果を得ることができるため、ウォーターサーバーで気軽に飲む人が増えています。
日本の水道水は世界トップレベルの安全性を保っているので、もちろん水道水でも問題ありません。
普段から水を飲む習慣をつけると、頭痛だけでなく代謝アップやダイエット効果などのメリットも得られます。
しかし、あまりにも頭痛がひどい場合や長期化している場合は、無理せずに病院に行くようにしてください。
筆者も頭痛外来やペインクリニックに行ったことがあるのですが、頭痛持ちの人のうち、早めに病院に足を運んで早期治療ができる人というのはまだまだ少ないのだそうです。
重症化する前に専門家に相談し、生活習慣の改善のひとつとしてお水をしっかり飲むようにすることをおすすめします。
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