日本の天然水の採水地まとめ 水源ごとのミネラルの特徴と効果
日本の天然水(ナチュラルミネラルウォーター)は豊かな自然の中で地下に染み出したお水で、おいしい水として飲む人も多いです。
天然水の味わいは、溶けているミネラル(無機物)の量や種類によって異なり、そこから得ることができる健康や美容の効果もさまざまです。
一般的な天然水に含んでいるミネラルは、カルシウム・マグネシウム・カリウム・ナトリウムの4種類です。
しかし天然水の採水地によっては、上記4種以外にもバナジウム、亜鉛、シリカなどのプラスのミネラルが溶け込んでいるものもあります。
今回は、市販のペットボトルのミネラルウォーターとウォーターサーバーのお水を採水地ごとの特徴でまとめました。
目次
コンビニやスーパー市販のミネラルウォーターの採水地
コンビニなどで買えるペットボトルのお水は、地域によって採水地が異なる場合が多いです。
なるべく採水地から近い店舗で販売することで配送コストを抑え、採れたてのお水を届けているためです。
特定の採水地のお水を購入したい場合は、ネット通販で購入するのが手軽です。まとめ買いをすると2リットルペットボトルが100円未満で買えることもあり、とてもお得です。
●南アルプスの天然水(サントリー)
南アルプスの天然水は、通販でのミネラルウォーター人気ランキングで常に上位に入るお水です。
実は、南アルプスの天然水だけでなく、奥大山の天然水と阿蘇の天然水もサントリーの天然水として発売しています。
関東では「南アルプスの天然水」の知名度が高いですが、中国地方では「奥大山の天然水」のCMが流れているので、サントリーの天然水と言えば奥大山の天然水のイメージがあります。
硬度も約20~80mg/Lと幅が広いです。
●いろはす(コカ・コーラ)
同じいろはすブランドのお水でも、採水地は6ヶ所(北海道・岩手県・山梨県・富山県・鳥取県・宮城県)に渡ります。
硬度は25~40mg/Lで、日本人が飲み慣れた硬度のお水です。
ミネラルウォーターには採水地を表示する必要があるので、ペットボトルのラベルを見ればどこで採れたお水かがわかります。
採水地が表記されていないお水は、天然水ではないお水(ボトルドウォーター)です。
日本国内で販売するお水は、農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン(PDF)」によって下記のように分類されます。
■ナチュラルウォーター
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌のみ行ったもの
■ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち、地下から地表に浸透する際に地層中のミネラル成分が溶け込んだ原水を使用したもの
■ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターのうち、ミネラルの調整などの人工的な処理を施したもの
■ボトルドウォーター
原水が地下水ではない、もしくは原水が地下水でもミネラル成分が変化する処理を行ったもの
天然水として販売しているコンビニやスーパーのお水の多くはナチュラルミネラルウォーターです。
お手元のお水の分類は、ラベルの「名称」という項目を見るとわかります。
ここに「ボトルドウォーター」もしくは「飲用水」と記載してあるお水は、地下から汲み上げたお水ではありません。
例えば、アルカリイオンの水(キリン)やウォーターサーバーのRO水、高度浄水処理によって水道水から作ったおいしいご当地水などです。
ウォーターサーバーの天然水の採水地
ウォーターサーバーの天然水は、採水地やお水の特徴で選べるのがメリットです。
特に、天然水を複数種から選べるウォーターサーバー業者の場合は、採水地ごとの特徴や硬度の違いを公式サイトで詳しく説明しています。
特にウォーターサーバーのお水で多いのは、富士山の天然水です。
世界遺産の富士山から採水したお水の多くは、玄武岩を通っておりバナジウムが溶け込んでいることが特徴です。
バナジウムはインスリンと似た働きをするミネラルで、血糖値を下げることで糖尿病の予防や血流改善の効果が期待できます。
血行が良くなると水分代謝の促進によるデトックス効果にもつながるので、ダイエットや美容のために水を飲みたい方にもおすすめです。
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同じ富士山の天然水でも、ミネラル成分が異なるのはなぜ?
多数のウォーターサーバー業者の天然水を比較すると、同じ富士山の天然水でもミネラルバランスが異なることがわかります。
これは採水場所だけでなく、殺菌方法に加熱処理と非加熱処理のどちらを採用しているか、採水地の標高がどれくらいかによっても変化します。
実際に、富士山の水が飲める主要ウォーターサーバー4社の成分表を比較してみました。
成分表 (100mlあたり) |
プレミアムウォーター | フレシャス | キララ | クリクラミオ |
---|---|---|---|---|
硬度 | 25mg/L | 21mg/L | 28mg/L | 49mg/L |
カルシウム | 0.64mg | 0.57mg | 0.71mg | 0.12mg |
ナトリウム | 0.68mg | 0.52mg | 0.44mg | 0.54mg |
マグネシウム | 0.22mg | 0.19mg | 0.25mg | 0.45mg |
カリウム | 0.12mg | 0.07mg | 0.1mg | 0.15mg |
バナジウム | 9.1㎍ | 8.6㎍ | 7㎍ | 5㎍ |
亜鉛 | – | – | 10㎍ | – |
炭酸水素イオン | – | – | 0.37mg | – |
シリカ | – | – | 0.48mg | – |
■採水地点や標高の違い
同じ富士山で採水をしても、標高や採水ポイントが違うとミネラル成分や硬度が異なってきます。
標高が高い地点で採水すると、ミネラルが水に溶け込む時間が少ないので、硬度の低い天然水になります。
標高が低い地点で採水すると、水が流れてくる間にミネラルがじっくりと溶け込んでいくので、硬度の高い天然水になりやすいです。
例えば、上記の中で一番硬度が低いフレシャスの天然水は、開発限界線の標高1,000m地点という高い場所に採水工場があります。
■加熱処理か非加熱処理か
加熱処理を行うと安いコストで殺菌ができるので、加熱によって殺菌を行っている業者が多いです。
しかし、加熱処理は殺菌の過程でミネラルが一部失われてしまうことがデメリットです。
一方、非加熱処理は加熱をセずオゾン殺菌などで処理をします。コストや手間がかかるものの、ミネラルが豊かなままで殺菌処理ができます。
農林水産省や厚生労働省の許可を得たメーカーしか行えない特殊な処理です。
非加熱処理を行っているウォーターサーバー業者は、浅田真央さんとパートナー契約をしているキララ、サーバーがおしゃれなプレミアムウォーターです。
キララは、28mg/Lという低い高度でありながら8種類のミネラルが溶け込んでおり、プレミアムウォーターも上記5社の中でバナジウムを一番多く含んでいます。
このように、採水地ごとの特徴はもちろん、ウォーターサーバー業者によってミネラル成分は異なります。
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飲み比べるなら、複数の天然水から選べるウォーターサーバーを
いろいろな天然水を飲み比べてみたい場合は、複数の天然水から選べるウォーターサーバーがおすすめです。
家具ブランドとのコラボサーバーが人気のプレミアムウォーター、節電サーバーが評判のフレシャスでは、3種類の天然水から好きなものを選べます。
全種類の天然水を飲んでみて好きな味のものを選ぶ方、気分によって種類を変える人もいます。
それぞれの3種類の天然水の成分表を比較してみました。
■プレミアムウォーター
天然水の種類 | 硬度 | 採水地 |
---|---|---|
富士吉田 | 25mg/L | 山科県 |
南阿蘇 | 36mg/L | 熊本県 |
金城 | 83mg/L | 島根県 |
■フレシャス
天然水の種類 | 硬度 | 採水地 |
---|---|---|
FRECIOUS 富士 |
21mg/L | 山梨県 |
FRECIOUS 朝霧高原 |
85mg/L | 山梨県 |
FRECIOUS木曽 | 20mg/L | 長野県 |
硬度20mg/L台のとても軟水から、硬度80mg/L前後の中軟水まで、幅広く選ぶことができます。
海で採水した深層水という水もある
天然水は地下水を原水としますが、海から採水した深層水というお水もあります。
海洋ミネラルが溶け込んでいる、と聞くとしょっぱいイメージがあるかもしれませんが、国内で販売している深層水はほとんどが軟水で飲みやすいです。
例えば、コンビニなどでも購入できるmiu(ダイドー)は、北海道の室戸で水深700~1,000mから採水しています。
ウォーターサーバーでは、エフィールウォーターは北海道の知床半島で採水した「知床知床らうす海洋深層水」という軟水が飲めます。
海外のミネラルウォーターは中軟水~硬水が多い
国内ウォーターサーバーのお水は全て日本で採水したものですが、コンビニやスーパーで買える天然水の中には採水地が海外のものもあります。
特に、硬水のミネラルウォーターが多いです。
例えば、エヴィアン(304mg/L)やコントレックス(1468mg/L)はフランスの硬水です。
少ないですが海外の軟水も国内に流通しています。
クリスタルガイザー(硬度約32mg/L)はアメリカのカリフォルニア州の軟水で、中軟水のボルヴィック(硬度60mg/L)はフランスの山岳地帯で採水しています。
国産の天然水は軟水が多く、欧米で採水した天然水に硬水が多いのは、自然環境の違いが大きな理由です。
日本はミネラルが少ない火山の山脈地帯が多く、湧き水はその場にとどまらず下流に流れていきます。地中に滞留する時間が短いので、水に溶け込むミネラル分が少なくなる=軟水になりやすいです。
一方、欧米ではミネラル豊富な石灰の平野が多く、傾斜が少ないので水が長く地中に留まります。その間にミネラルが地下水にたくさん溶け込み、硬水になりやすいです。
もちろん自然環境には地域差が大きいので、日本でも硬水が採水できる地域はありますし、ヨーロッパで軟水が採れる地域もあります。
例えば日本産の硬水としては、四国カルストで採れる「ぞっこん水(107mg/L)」や、大分の長湯温泉の温泉水「マグナ1800(900mg/L)」などが販売されています。
硬水の天然水はミネラル成分が多く溶け込んでいるので、健康や美容には効果があります。例えば、便秘解消のために朝、硬水を飲む人も多いです。
日本人は軟水を飲み慣れているので、ミネラルの苦みやクセが苦手な人もいますが、
しかし、赤ちゃんに飲ませると内臓に負担がかかってしまうので、ミルク用の水などは軟水を使うことが望ましいです。
また、大人でも飲みすぎると腎臓などに負荷がかかり、お腹が弱い人が飲むと下痢の原因になることが多いので、注意が必要です。
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