ウォーターサーバーの天然水と市販のミネラルウォーターの違いとは?
ウォーターサーバーでミネラル豊富なお水は天然水として取り扱っていますが、一般的にミネラルが入った水というとミネラルウォーターと呼ぶことが多いです。
ミネラルが入っているお水、という広義の意味では、ウォーターサーバーの天然水も市販のお水の多くが「ミネラルウォーター」と言えます。
しかし、実はウォーターサーバーの天然水と市販のミネラルウォーターは、製造方法が異なる場合があります。そこで、天然水とミネラルウォーターの違いを調べてみました。
最後に、ウォーターサーバーでしか飲めないお水の種類、コンビニやスーパーの方が手に入りやすいお水の種類もまとめています。
目次
ウォーターサーバーの天然水は「ナチュラルミネラルウォーター」
ミネラルを含むお水の種類は、農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン(PDF)」によって、下記のように定義づけられています。
■ナチュラルウォーター
特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌のみ行ったもの
■ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち、地下から地表に浸透する際に地層中のミネラル成分が溶け込んだ原水を使用したもの
■ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターにオゾン殺菌や人工的なミネラル添加などの化学処理を行ったもの
ナチュラルウォーターを扱うメーカーは少なく、私達の周りに多いのはナチュラルミネラルウォーターです。
ウォーターサーバーの天然水はナチュラルミネラルウォーターです。
富士山や南アルプスなどの地下水を採水しており、天然のミネラルが豊富に溶け込んでいます。
ミネラルウォーターの場合は、品質を安定させるために化学処理を行っていたり、ミネラルを加えていたりするので、ナチュラルミネラルウォーターより人の手がより加わっています。
コンビニなどで販売しているミネラルウォーターの中でも、ナチュラルミネラルウォーターはあります。知名度の高いお水なら、いろはすやボルヴィックなどが人気です。
市販のナチュラルミネラルウォーターがナチュラルミネラルウォーターかどうかは、ラベルの「名称」という項目を見るとわかります。下記のような記載があります。
ちなみに、ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーター・ミネラルウォーター以外の水はボトルドウォーター、もしくは飲用水という記載になります。
井戸水や水道水を飲用に加工した水などがボトルドウォーターにあたります。
加熱処理と非加熱処理の違い
ナチュラルミネラルウォーターの殺菌処理の仕方には、加熱処理と非加熱処理があります。
加熱処理は文字通り、熱を加えることによって雑菌を除去する方法です。非加熱処理は、オゾンや紫外線などによって熱を加えずに殺菌します。
■加熱処理
市販のナチュラルミネラルウォーターの多くは加熱処理を施しています。少ない手間で殺菌ができ、低コストのお水を大量生産しやすいからです。
デメリットは、溶存酸素やミネラル成分が減ってしまうなど、ナチュラルミネラルウォーターの本来の美味しさを少なからず失ってしまうことです。
■非加熱処理
一方、一部のウォーターサーバーの天然水などでは、非加熱処理によって地下水本来のミネラルを残したお水を扱っています。
加熱による殺菌をしなくても安全性が確保されている原水を使う必要があるので、農林水産省や厚生労働省の許可を得たメーカーしか行えない特殊な処理です。
このハードルの高さや、加熱処理に比べて手間やコストがかかることから、非加熱処理を導入しているメーカーはまだ少数派です。
例えば、浅田真央さんがブランドパートナーのウォーターサーバーkirala(キララ)は、富士山の天然水を非加熱処理で取り扱っています。
加熱処理のナチュラルミネラルウォーターでは、カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・カリウムの4種しか含んでいないケースも多いですが、キララの天然水は8種類のミネラルが溶け込んでいます。
他にも、3種の採水地の天然水を扱うプレミアムウォーターも、全て非加熱処理の天然水です。
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硬水のナチュラルミネラルウォーターを飲むならコンビニやネット通販で
ナチュラルミネラルウォーターはウォーターサーバーだけでなくコンビニでも買うことができます。
しかし、その中でもウォーターサーバーでは扱っていないお水があります。それが、硬水です。
なぜなら、日本で採水できる水の多くは軟水で、多くのウォーターサーバーが国内で採水したナチュラルミネラルウォーターを扱っているからです。
有名な硬水ブランドのエヴィアンやコントレックスは、いずれもヨーロッパの水です。
コンビニやスーパーでは外国の水も扱っているので硬水のお水も購入することができます(→硬水と軟水の特徴や違いとは)。
日本はミネラル(鉱物)が少ない火山の山脈地帯が多く、湧き水はその場に長くとどまることなく下流に流れていきます。
地中に滞留する時間が短いので、水に溶け込むミネラル分が少なくなる=軟水になりやすいです。
一方、欧米ではミネラル豊富な石灰の平野が多く、傾斜が少ないため水が長く地中に留まり、ミネラルが地下水にたくさん溶け込みます。
よって硬水になりやすいので、欧米のミネラルウォーターは硬度が高いものが多いです。
もちろん自然環境には地域差が大きいので、日本で硬水が採水できる地域、ヨーロッパで軟水が採れる地域もあります。
例えば日本産の硬水としては、四国カルストで採れる「ぞっこん水(107mg/L)」や、大分の長湯温泉の温泉水「マグナ1800(900mg/L)」などが販売されています。
日本人の口に合う、飲みなれた水は硬度30~40mg/L前後の軟水なので、市販のナチュラルミネラルウォーターもこれくらいの硬度の水が多いです。
便秘解消やダイエットのために硬水を飲みたいという方は、ネット通販でボトル入りの硬水を購入するのが手軽だと思います。
参考までに、軟水と硬水の硬度の目安と、ペットボトルで販売しているお水の硬度をまとめました。
硬度 | WHOの定義 | 日本で市販されているミネラルウォーター |
---|---|---|
軟水 | 60mg/L以下 | 南アルプスの天然水(約30mg/L)、い・ろ・は・す(約30mg/L)、クリスタルガイザー(約32mg/L) |
中程度の軟水 | 60~120mg/L | ボルヴィック(60mg/L)、FIJI Water(106mg/L) |
硬水 | 120~180mg/L | ドクターシリカウォーター(136mg/L)、 |
程度の強い硬水 | 180mg/L~ | エビアン(304mg/L)、コントレックス(1468mg/L) |
参考:WHO/HSE/WSH/10.01/10/Rev/1 Hardness in Drinking-water(PDF)
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赤ちゃんにミネラルウォーターを飲ませてはいけない?
時折「赤ちゃんにミネラルウォーターを飲ませると体に悪い」という情報を見かけます。
答えとしては、硬度50~60mg/L程度までの軟水であれば、飲ませても問題ありません。
確かに内臓が発達途中の赤ちゃんは、ミネラルを摂りすぎると内臓に負担がかかります。硬水を飲ませるのは避けたほうが良いです。
しかし、国内で販売している軟水のナチュラルミネラルウォーターであれば、ほとんどが飲ませても大丈夫です。
中軟水のナチュラルミネラルウォーターを飲むならウォーターサーバー
ミネラルを摂るようにしたいけど、硬水はどうしても硬い味が苦手…そんな方は、硬度60~90mg/Lくらいの中軟水がおすすめです。
実は中軟水はコンビニやスーパーであまり売っていません。市販の水だとボルヴィックが硬度60mg/Lの中軟水にあたります。
エヴィアンは苦手だけどボルヴィックなら飲める、という方なら、ウォーターサーバーでお好きな中軟水を選んで気軽に飲むことができます。
中軟水の天然水が選べるウォーターサーバー
■プレミアムウォーター
中軟水の天然水:採水地:金城(硬度83mg/L)
アンチエイジング効果がある炭酸水素イオンや、美肌・美髪効果があるシリカを含んでいます。
■フレシャス
中軟水の天然水:FRECIOLUS朝霧高原(硬度85mg/L)
バナジウムが豊富に溶け込んでいるのでダイエットをしている方におすすめです。
市販のお水の「天然水」表記には注意
前述の通り、ナチュラルミネラルウォーターとミネラルウォーターは農林水産省が区別をしています。
しかし、コンビニやスーパーで見かけるミネラルウォーターに「天然水」という表記がしてあることもあり、分かりづらいこともあります。
市販のミネラルウォーターは、ボトルのラベルにある名称欄を見るとお水の分類が分かります。
「名称:ナチュラルミネラルウォーター」と書いてあれば正真正銘の天然水なので、確認してみてください。
次の記事は、ウォーターサーバーとペットボトルのお水の違いについてです。
より天然のミネラルを摂取できるナチュラルミネラルウォーターを飲みたいという方は、価格や便利さなどの比較の参考にしていただければと思います。
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